まず確認:本当に止まっている?
体重は、水分、食事の量、塩分、便通、女性では月経周期などで1日に1kg前後動くこともあります。数日〜1週間の横ばいは停滞ではないことが多いので、2〜3週間の週平均で判断してください。筋トレを始めたばかりの時期や、炭水化物を増やした直後は、体内の水分(グリコーゲン)で体重が増えて見えることもあります。
停滞の主な原因
1. 体重が減って消費カロリーも減った
体が軽くなると、動くのに必要なエネルギーも減ります。最初に計算した赤字は、減量が進むと小さくなっていきます。
2. 代謝の適応
減量を続けると、体重の減少から予想されるより消費カロリーが下がる「代謝の適応(適応的熱産生)」が起きることが報告されています[1][2]。
3. 日常の活動量が減る
運動以外の日常の活動(歩く、立つ、こまめに動くなど)による消費は人によって大きく違い[3]、減量中は無意識に減りやすいとされています[1]。
4. 食べている量が増えている
減量が長くなると、計量や記録がゆるみ、少しずつ食べる量が増えていることがあります。
対処の順番
- 記録を見直す:1週間、食べたものを量って全部記録する
- 消費カロリーを計算し直す:今の体重でTDEEとPFCを出し直す
- 歩数を確認する:日常の活動量が落ちていないか、歩数計などで確かめる
- 赤字を少しだけ増やす:食事を1日100〜200kcal減らすか、活動量を増やす。一気に大きく減らさない
- 休む期間を入れる:長期間の減量では、1〜2週間ほど消費カロリーと同じくらい食べる「ダイエットブレイク」を入れる方法もあります
肥満の男性を対象にしたMATADOR試験では、2週間の減量と2週間の維持をくり返したグループのほうが、続けて減量したグループより脂肪が多く減りました[4]。ただし対象は肥満の男性で、筋トレをしている人にそのまま当てはまるとは限らず、競技者向けの理論的な検討にとどまっています[5]。
やめたほうがいい対処
- 食事を急に大きく減らす、食事を抜く
- 有酸素運動を急に大量に増やす(疲労がたまり、筋トレの質が落ちやすい)
- 下剤や利尿作用のあるものに頼る
停滞が長く続いて気分が落ち込む、食事のことばかり考えてしまうといった状態なら、一度減量をやめて体重を維持する期間にするのも大事な選択です。
健康上の注意
ここに書いているのは健康な成人向けの一般的な情報です。持病がある人、妊娠・授乳中の人、10代の人、摂食障害の経験がある人や、食事や体重のことで強い不安を感じている人は、自己判断で減量せず医師に相談してください。めまい、生理が止まる、強い疲れが続くなどの症状が出たら、減量を中止して受診してください。
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出典
- [1] Trexler ET, Smith-Ryan AE, Norton LE. Metabolic adaptation to weight loss: implications for the athlete. J Int Soc Sports Nutr. 2014;11:7. doi:10.1186/1550-2783-11-7
- [2] Rosenbaum M, Leibel RL. Adaptive thermogenesis in humans. Int J Obes. 2010;34(Suppl 1):S47-S55. doi:10.1038/ijo.2010.184
- [3] Levine JA, Eberhardt NL, Jensen MD. Role of nonexercise activity thermogenesis in resistance to fat gain in humans. Science. 1999;283(5399):212-214. doi:10.1126/science.283.5399.212
- [4] Byrne NM, et al. Intermittent energy restriction improves weight loss efficiency in obese men: the MATADOR study. Int J Obes. 2018;42(2):129-138. doi:10.1038/ijo.2017.206
- [5] Peos JJ, Norton LE, Helms ER, Galpin AJ, Fournier P. Intermittent dieting: theoretical considerations for the athlete. Sports. 2019;7(1):22. doi:10.3390/sports7010022